根管内を掃除するドリルのようなものをファイルとかリーマーといいます。これを使用中に根の中で折れてしまう事がごくまれにあります。螺旋状にネジ切りされているので、細い根管の中でまわりの壁に"食い込んでしまったファイル"を取り除くことは至難の業です。またそれを放置するとその先にある感染物質が掃除出来ずに終わってしまうことになり、根の先に病気が出来て最悪抜歯に至る事もあり得ます

症例1:
かぶせ物と土台の再治療を希望されたので折れたファイルも同時に取り除くことになりました
術前レントゲン写真
根の先に分離してはっきりと白く映っているのが折れたファイルです
 DSC_0039b.jpg
破折ファイルの頭が見えます
201010301824497199.jpg
周りを削り取っています 
2010103018255521950.jpg
2010103018424722774.jpg
 取り除いた破折片
この折れたファイルはステンレス製だったのでまだマシでしたが、最近流行りのNi‐Ti(ニッケルチタン製)ファイルの除去、特にサイズが細くて湾曲部で破折していれば極端に困難になります.肉眼では完全に不可能です.
殆どの患者は折れた事は知らされていないので、レントゲンで発見されて指摘を受けるまでは分かりませんが・・・・・・・(ー ー;)

症例2:他医で神経をとったが違和感が続く、診て欲しい

術前レントゲン写真、湾曲根菅の中に長〜いファイルが折れ込んでいます

第一症例と違い真っ直ぐな根管ではないのに加えてこれほど長い(!)折れたファイルの除去は極端に難易度が高くなります
2022092400175331809.png
術前CT画像
デンタルX 線写真では確認できなかった膿の塊が根尖に確認出来ます

2022080520004116468.png
2022082719015445148_3.png

材質が脆く、一括では取れず、最終的に5ピースにバラバラで取れてきました.
曲がった根管の中からそれぞれを摘出するのは困難ではありましたが、『NOから始めない』事が最も大切です  
 







(x1.6 on 3way variable magnification)

顕微鏡で見ると大きく見えますが・・・
2022082719015445148_2.png









2022082719015445148_1.png

実際の大きさは肉眼ではこんなに
小さなピースです.千円札を取り出してご覧になっ
てください肉眼での治療では不可能なことがお分かりになると思います。
2022082719015445148.png等倍にすると見えなくなるので千円札を現物よりまだ大きめにしてあります。それでも破折片が点にしか見えません。








 photo by CARL ZEISS PROergo microscope/3way variable magnification

摘出
直後レントゲン写真
202208021954427855.png
























術後3ヶ月レントゲン写真
2022111002540840490.png

症例3:他医からの紹介
「3年前から根菅治療をしているが、根管充填しても膿の出口が消えず、痛み、腫れの再発を繰り返している」。再根管治療途中で紹介来院.

初診時レントゲン写真

折れ込んだ
ファイルと根の先に膿の塊が
確認できる
2022090702500436204_3.png
CT画像
2022090702500436204_1.png
CT画像 view2
2022090702500436204.png