2012.04.2419:36

4月22日,23日を休診してCT室の工事が終わりました。来週ようやくCTの搬入です。まだ照明器具も間に合わず、仮の器具が付いています
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4月29日午後10時CTの設置が完了しました!
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さっそく次の日に岐阜県から来院した患者さんで撮影しました。下のレントゲンでは右下の7番の根尖には少し影は見えますが大きな病巣が有るようには見えませんでした(3歯とも当院で治療したものではありません)
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しかし下のCT画像では
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奥側の根尖(遠心根)に大きな病巣が発見されました。またレントゲン上では全く見られなかった手前の根尖(近心根)にも病巣が見られました。おまけに右隣の歯のつめ物の下に大きなムシ歯も発見されました患者さんは何も自覚症状は有りませんでしたので2歯共にもっと進行するまで知らずにいるところでした.診断におけるCTのメリットを認めざるを得ませんでした・・・・・・
それまで(CTを持つまで)は診断は"道具じゃない" 、"心眼だ!" "経験だ!"と思っていました(と言うより言い聞かせていた?)しかし残念ながらそれだけでは追いつけない領域でした.竹槍でマシンガンに立ち向かうようなものかも知れません。今ではマイクロスコープとCTは“心眼と経験”では及ばない貴重な情報を提供してくれるツール(道具)となりました。下手の道具立て*(下記参照)とならないようにしたいものです。
遠方からの患者さんで、CT撮影当日はメンテナンスの予約だったので3ヶ月後にScoopOut & Multi-Fiberpost法でone day根菅封鎖(充填)を行い、12ヶ月経過(2013.7.6.)しました。根尖部の病巣は殆ど消えました。根管拡大中に次亜塩素酸ソーダ(ハイターと同じ成分)は全く使っていませんし、根管封鎖(充填)にも一切ガッタパーチャは使用していませんが病変の治癒が早いのが分かります(標準レントゲン写真と比べてCTは格段にシビアに病変の影を写しだすので、術後CTでこの治癒状態であればほぼ完璧と言えます=標準レントゲン写真で治った治ったと喜んでいてもCTではまだまだ治癒状態ではない事がよくあります。学会/論文発表等で術後の評価はCTでの画像しか認めないとなれば、大変なことになるかも知れません)。となりの6番もむし歯の部分を徹底的に取り除き神経を保存治療することが出来ました。再発の無い医療のためにCTが一役果たしました。

しかしCT(マイクロスコープも)はこのように
病気を早期発見して、歯を保存するという確かな役割を果たす時もありますが、その真逆に病気を発見して抜歯に誘導するという諸刃の剣の一面が有ります。歯根破折が代表的ですが、根尖病巣もそうです。歯科医師それぞれのスキルによっては、自分の能力では治せないと思ったら(またはその治療に対して反対論者で有れば)保存不可能と言って抜歯になる可能性が高いのです。抜歯はいつでも出来ます、歯を抜くと言われたら必ずセカンドオピニオンを受ける事です・・・・絶対に!!
         CT画像(12ヶ月後)
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注:ファイバーポストのX線透過度(造影性)
ScoopOut&Multi-Fiberpost法で使用するファイバーポストは根管の隙間の形に合わせて国内外の20種類近くの各サイズを使用しています。メーカー、サイズによってレントゲンの透過度(造影性)が異なります。透過度が高いファイバーポストを部分的に使用するとこの遠心根のように1本しか入っていない様に見えることがありますがこの症例でも合計18本のファイバーポストが使用されています。



*下手の道具立て: 下手なひとに限って、道具の良い悪いに拘り道具ばかり選びたがること。
『下手の道具調べ』ともいう。
反対句=弘法筆を択ばず
英文=A bad workman blames his tools.(下手な職人は道具に文句を言う)
こうして考えると日本人が作ったことわざ、名言が外国でも同じようにあることからも所変われど考えることは共通しているものです。




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隣町大泉のCafé Otono "袈裟を落とさない生き方”です